縮毛矯正で傷んだ髪は直せる?美容師が教える原因・シャンプー&トリートメントの正解とサロンでできること

「縮毛矯正で髪が傷んだ気がする」「どうやって直すのが正解」と不安な方へ、現場の美容師目線でお伝えします。
結論は、傷んだ髪を“元通りに治す”ことはできませんが、適切なシャンプーやトリートメント、そして専門的なサロンケアで“見た目と手触りを驚くほど改善”できます。
今日からできるホームケアと、来店時にできるプロの対策をやさしく解説します。
縮毛矯正で髪が傷む理由

縮毛矯正は薬剤で結合を一度切り、熱で新しい形に固定する高度な技術です。
この過程でキューティクルが開き、内部のたんぱく質やCMCが流出しやすくなります。
ダメージの正体は“水分と脂質のバランス崩壊”と“内部空洞化”です。
薬剤の強さや放置時間、アイロン温度、既矯正部への重ねがけがリスクを高めます。
当店では髪の履歴と部位ごとのダメージ差を見極めて、必要最小限のパワーで施術します。
傷んだ髪に合うシャンプーの選び方と洗い方

「どのシャンプーを選ぶか」でダメージの進行は大きく変わります。
以下のポイントをチェックしてください。
- 洗浄力は“適度”が正解です。強すぎる脱脂はパサつきと広がりを招きます。
- アミノ酸系やベタイン系などのマイルドな界面活性剤を目安にします。
- pHが安定した処方や酸性寄りの設計はキューティクルを引き締めやすい傾向です。
- 「傷んだ髪に」特化した保湿成分(ヒアルロン酸、セラミド類似体、植物オイルなど)を選びます。
洗い方のコツも重要です。
ぬるま湯で予洗いを1〜2分行い、髪ではなく地肌を指の腹で洗うイメージにします。
毛先は泡を通す程度にとどめ、ゴシゴシこすらないことがポイントです。
タオルドライは“押さえる”が正解で、摩擦はダメージを加速させます。
トリートメントの正しい使い方とサロンケア

トリートメントは「内部補修」と「表面コート」を目的に使い分けます。
ケラチンやペプチド、CMC補充系成分で空洞化を補い、シリコーンや油分で滑らかさを整えます。
中間〜毛先を中心に、目の粗いコームでとかして均一に塗布します。
放置時間は製品指示に従い、流しすぎないのがコツです。
ドライ前には必ず熱保護ミルクやオイルで“熱ダメージの上書き”を防ぎます。
サロンではダメージ領域ごとに薬剤濃度を変えるプレトリートメント、pHコントロール、アイロン温度の分割管理を行います。
内部架橋系のトリートメントや酸熱系のメンテナンスでツヤとまとまりを底上げします。
ホームケアで限界を感じたら、プロの“設計された補修”が近道です。
「直す」とは何を指すのか(本当の意味)

髪は一度生えた時点で“生体の自己修復”ができない組織です。
そのため「完全に元通りに治す」はできません。
私たちができるのは“補修して強度と手触りを回復させ、見た目を綺麗に直す”ことです。
適切なケアで、絡まりやすさ、広がり、艶の低下を大きく改善できます。
次の縮毛矯正を安全に行うコツ

- 基本は「リタッチ矯正」で新生部のみを狙い、既矯正部への過度な重ねがけを避けます。
- 目安期間は3〜6か月ですが、クセの強さと髪質、ライフスタイルで最適周期は変わります。
- 根元は適正パワー、毛先は保護処理やアイロン控えめなど“部位別設計”が安全です。
- 履歴共有(いつ・どこで・何回・どのメニュー)こそ最大のダメージ予防策です。
ホームケアとサロンケアの比較表

目的 | ホームケア | サロンケア | 頻度の目安 |
---|---|---|---|
洗浄と保湿の土台作り。 | アミノ酸系シャンプーでやさしく洗い、保湿重視のトリートメントを継続します。 | 頭皮と毛髪の状態を診断し、pHと残留アルカリをコントロールします。 | 毎日〜隔日が目安です。 |
内部補修と表面の滑らかさ向上。 | ケラチンやCMC系トリートメントをコーミングで均一に入れます。 | 部位別に補修剤や架橋トリートメントを選定し、熱処理を最適化します。 | 2〜4週間に一度の来店が理想です。 |
熱ダメージの最小化。 | ドライ前の熱保護ミルクやオイルを必ず使用します。 | アイロン温度を毛髪強度に合わせて分け、重ね熱を避けます。 | 施術時に実施します。 |
よくある質問

Q1:シャンプーを変えるだけで傷んだ髪は直りますか。
A:直すというより“これ以上悪化させない土台が作れる”とお考えください。
補修系トリートメントと熱保護の併用で体感は大きく変わります。
Q2:トリートメントは毎日しても良いですか。
A:毎日でも問題ありませんが、重さが出たら使用量や頻度を調整します。
週1回の集中ケアを追加するとまとまりが長持ちします。
Q3:一度の縮毛矯正で強いダメージになりました。
A:まずはカットで枝毛を整理し、内部補修と熱ダメージ抑制の設計を優先します。
無理な施術を避け、段階的に美しさを取り戻すのが安全です。
まずはカウンセリングのご案内

当店では「縮毛矯正で傷んだ髪」に特化したダメージ診断とケア設計を行っています。
毛髪強度チェック、pH・残留アルカリの確認、部位別の補修プランをご提案します。
「本当に直せるのか不安」という方ほど、一度プロに髪を見せてください。
あなたの髪に最短で結果が出る方法を、一緒に作りましょう。
予約前のチェックリスト
- 最後に縮毛矯正やカラーをした日付を思い出しておきます。
- 使用中のシャンプーとトリートメントの名称をメモします。
- 気になる症状(引っかかり、うねり戻り、パサつき、切れ毛)を具体的に伝えます。
- 「何をどれくらい直したいか」を一緒に優先順位づけしましょう。